第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(208)


𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(208)

 
—————————【208】————————————————

  Ils  nous  avaient  aperçus   et  ils  nous  huaient
de  la  belle  façon.    Ainsi   tout  le  bourg  était
contre  nous,  et  l'on  préparait  je  ne sais  quel jeu 
guerrier  dont  nous  étions  exclus. 
 .

——————————(訳)—————————————————

彼らはこちらに気づいていた.そして私たちを罵って
いたが、やり方が卑劣きわまりない.そんなふうにし
て街全体で私たちに反意を示すように仕向けたのだ.
そして私たちの知らない戦争ごっこを準備して、私
たちを排除しようと準備していたのだ.

 

..—————————⦅語句》—————————————————
            
aperçus:(過去分詞複数) 
  <apercevoir (他)①見える、目に入る
    ❷気づく、認める
huaient:(半過去3複) 
  <†huer [ユエ] (他) (を)ののしる、やじる.
    Sa pièce fut sifflée et huée.
     彼女の芝居はさんざんにやじられた.
de la belle façon:見事な方法で(ただしここでは皮肉で)
    「卑劣にも」            
exclus:(複数形) 
  <exclu(e):(形) 除外された、除名された
   受け入れられない        
guerrier(ère):(形) 戦争の、戦争的な


————————— ≪解釈≫ ————————————————

文法通り訳し上げていくと、わけがわからなくなる
文です.

Ainsi tout le bourg était contre nous, et l'on  
préparait je ne sais  quel jeu guerrier dont  
nous étions exclus. 
このように村中が私たちに反対で、私たちの
知らない戦争ごっこをして、私たちを排除す
る準備をしていた.

まず je ne sais  quel jeu guerrier は
「どんなものやら私が知らない戦争ごっこ
となります.
je ne sais と始まっていても、quel jeu guerrier
が主体の名詞句になっています.je ne sais に
疑問詞が続くとしばしばこういう現象が起こります.
そしてそれに関係代名詞(英語では関係副詞という)
dont が続きます.「私たちを除外する戦争ごっこ
(nous étions exclus de ~ 
 私たちは~から除外されていた) 
文法的にはこれにdont がついて先行詞 jeu guerrier 
戦争ごっこにかかるのですが、それをしてしまうと
わけが分からなくなります.
「私たちが除外されていた戦争ごっこ」と言っても、
そもそもモーヌも私もそんなものに関わらないはず
で、ここは(dont以下は)「その結果」私たちが仲間
はずれにされる、としなければ、論理的におかしく
なります.

関係代名詞(関係副詞を含め)は制限的に訳す場合、
非制限用法になる場合、必ずしも、コンマの有無が
決め手とはならないので、内容を踏まえながら
訳しましょう.