第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(107)

さすらいの青春(107)


———————————【107】——————————

 

  Je  sais *  que  Meaulnes  est  parti.   Plus  exactement, 
Je  le  soupçonne  de  s' être  échappé.   Sitôt  le  déjeuner
terminé,  il  a  dû  sauter  le petit  mur  et  filer  à  travers
champs,   en  passant  le  ruisseau  à  la  Vieille - Planche, 
jusqu' à  la  Bell - Étoile.   Il  aura  demandé   la  jument
pour  aller  chercher  M.  et  Mme  Charpentier.   Il fait
atteler  en  ce   moment.

 

 

————————————(訳)——————————

 

私はモーヌが出発したことはわかっている.より正直に
言えば、モーヌは逃げ出したんじゃないかと疑っている.
昼食が済んだすぐあとで、モーヌは小さな塀を飛び越えて、
畑を突っ切り、ヴィエイユ・プランシュで小川を渡り、ベ
ル・エトワールまで走って行ったに違いない.シャルパン
ティエ夫妻を迎えに行く雌馬をもう注文したかも知れない.
もう今頃は雌馬を車につないでもらっているところだ.

 

———————————【語句】——————————

soupçonne (1単) <soupçonner (他) 疑う、怪しむ    
plus exactement  より正しく言えば
   soupçonner de + inf  ~ではないかと疑う
s' être échappé (複合過去) <s'échapper (de から) 逃げる、
    脱走する、立ち去る     
sitôt (前) [文語] ~の直後に
  Je me lève sitôt le jour venu. / 私は夜明けと共に起きる. 
déjeuner (m) 昼食      
sauter [ソーテ](自) 跳ぶ、跳ね上がる、飛び降りる   
filer (自) 矢のように走る[飛ぶ]、急いで行く
  ❷(話)急いで立ち去る、逃げ出す
   File par la fenêtre ! /  窓から逃げろ!
   filer à l'anglaise こっそり立ち去る
ruisseau (m) (pl 注意:ruisseaux) 小川
jument (f) 雌馬 
atteler (他) (馬、牛などを、車、鋤などに) つなぐ 


——————————【文法】——————————

* Je sais que  Meaulnes  est  parti
 私はモーヌが出かたことは知っている.

物語なので、本来は、過去形で語られるところです.
普通の表現なら、過去形にして、
「私はモーヌが出かけてしまったことを知っていた.」
と描写するはずなので、これをフランス語で言えば、
Je savais que Meaulnes était parti.

なんだか、書き換え問題で出題されそうなので、ひとこと:
次のように書いては誤答案になってしまいます:
  Je savais que Meaulnes est parti.
   (私はモーヌが出かけたことを知っていた.)
私たち日本人の感覚だと、主節、従属節共、時制は半過去と複合過去で、
どちらも過去形だからこれでいいと思いがちですが、

主節が現在形の場合ならば、従属節は、どんな時制が来てもいい
のですが、主節が過去に置かれると、その従属節は
❶ 主節と従属節が同時生起:半過去、もしくは文語で単純過去
❷ 主節よりも過去の場合:  大過去、もしくは文語で前過去
❸ 主節よりも未来: 過去未来(条件法と同じ)
のように、使われる時制が限られます.
きょうの本文には出なかった事柄ですが、仏検受験生の私たちは
ぜひチェックしておきましょう.