第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(133)

さすらいの青春(133)


—————————【133】———————————————

  Mon  père avait  pris  la  lampe  et,  sans  attendre,  il
ouvrait  la  porte  qu'on  avait  déjà  fermée  à  clef.  Puis,
poussant  la  grille,  s'avànçant  sur  le  bord  des  marches, 
il  leva  la  lumière  au-dessus  de  sa  tête  pour  voir  ce
qui  se  passait.
  

——————————(訳)————————————————
                             
 父はもうランプを手に取っていた.そして鍵がもう掛かって
いたのだがその扉をさっさと開けていた.それから、鉄格子の門
を押しながら、ステップの端まで進んで灯火を頭の上に持ち上げ、
誰がやって来たのかを見た.
  

-—————————⦅語句》————————————————

sans attendre  急いで 
   attendre には「待つ」という意味の他に「手間取る」という意味が
  あります.sans attendre は「手間取ることなく」、「すみやかに」 
fermer la porte à clef  ドアに鍵を掛ける.
poussant (現在分詞) <pousser (他) 押す
grille [グリーユ](f)  鉄格子の門     
s'avànçant (現在分詞) <s'avancer  前に出る、進む
être sur le bord de … ...の瀬戸際にいる、まさに...せんとしている    
marche (f)  歩み     
leva (単純過去3単) <lever (他) 上げる、持ち上げる      
au-dessus de … ...の上の[に]

 

——————————≪意味解釈≫———————————————

sur le bord des marches  「まさに進み出ようとして」
としていましたが、訳本の方は、「段々の縁」、「踏み段の端」、
「石段のふち」、「階段のへり」などでしたので、もう一度
辞書を引き直したところ、marches (pl) で「階段」「踏み段」「踏板」
などの意味がありました.つまり
     sur le bord de  と
     être sur le bord de は別物で
marche も複数形の場合は階段」「踏み段」「踏板」の意味に変わるよ
うです. 
ということで、訳文訂正をしました.
 
定訳を見る前の訳
「それから、鉄格子の門を押しながら、まさに進み出ようとして
 灯火を頭の上まで持ち上げ、誰がやって来たのかを見た.」

から
「それから、鉄格子の門を押しながら、ステップの端まで進んで、
灯火を頭の上まで持ち上げ、誰がやって来たのかを見た.」

に訂正したことをお伝えします.今回は marches には「階段」という
意味がある、ということが学べました.