第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(117)

さすらいの青春(117)


——————————【117】———————————————


  « Excusez - moi,  monsieur,   c'est - il  vous  qui  avez 
autorisé  cet  élève  à  demander  la  voiture  pour  aller 
à  Vierzon chercher  vos  parents ?  Il* nous est venu des 
soupçons...
 — Mais pas du tout ! »  répond M. Seurel. 

 

———————————(訳)———————————————

  「すみません、先生、あなたが生徒に親御さんをヴィエ
ルゾンまでお迎えする馬車の注文をお出しになったのでし
ょうか? どうも手前どもには腑に落ちなかったもので...」
——「まさか、とんでもない!」、スーレル先生は即答した.

 

——————————【語句等】————————————————

autorisé (過去分詞) <autoriser (他) 許可する、認可する、許す
  autoriser qn à + 不定詞 ...に~する許可を与える
soupçon (m)  疑い、嫌疑


——————————≪文法1≫————————————————

◉ その1
Il* nous est venu des soupçons...  主語の il はモーヌのことではありま
せん.これは仮主語で il nous est venu ~ 、で、真主語は ~ のと
ころに来ます.
その真主語は、des soupçons (疑い、訝り)
私たちにはどうも腑に落ちないもので...となります.

nous という間接目的補語が意味上の主語です.

仮主語と真主語と意味上の主語が混ざった文法上、愉快な文です.

 

——————————≪文法2≫————————————————

◉ その2
— Mais pas du tout ! »  répond M. Seurel. 
「まさか!」スーレル先生が返答する.

直説法現在ですが、本文での訳文は過去にしました.
「物語現在形」とも呼ばれる過去の描写です.前回申し上げました
通り、試験で仏文和訳として出題されれば、ここは忠実に「現在形」
で訳すのが無難です.