さすらいの青春(14)
—————————【14】——————————————————————
Nous étions pourtant depuis dix ans dans ce pays
lorsque Meaulnes arriva.
—————————(訳)——————————————————————
私たちは、モーヌがやってきたときには、
この地には、しかし10年は住んでいた。
—————————《語句》——————————————————————
pourtant (副詞) しかし、けれども、だけど
文中に挿入可
C'est pourtant très difficile. しかしそれは大変難しい。
—————————≪解説≫——————————————————————
この物語の出だしでは、
「彼が私たちのところに来たのは
189・・・年11月のある日曜日だった。 」
となっていて、それから
その地へ移転してきたことが描かれていた。
だからこのサント=アガットに引っ越してきたのは、
188・・・年のことで、
モーヌがやってきたのは189・・・年。
物語の語り手の「私」は、この10年の隔たりを、
記憶の中で、ほぼ同時のこととして
描いてきたので、我々読者側も混乱しかけたが、
ここで、はっきりと時系列が明かされている。