第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(300)

 
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(300)


———————————【300】——————————————

  Il  pouvait  être  trois  heures  de  l'aprè s-midi  lors-
qu'il  aperçut  enfin,  au-dessus  d'un  bois  de  sapins, 
la  flèche  d'une  tourelle  grise.
   « Quelque  vieux  manoir  abandonné,  se  dit-il,
quelque  pigeonnier  désert !... »

 

.————————————(訳)————————————————

  午後の3時頃だっただろうか、そのときモーヌはついに
樅の林の上に灰色の尖塔を見つけた.
 「何か古い廃墟の館なんだろう」、モーヌは呟いた.
 「何か見捨てられた古塔なのか…」

 

..———————————《語句》———————————————
                    
pouvait être ~:(半過去3単) ~だったかもしれない 
au-dessus de ~:~の上に        
sapin:(m)[植物] モミ(樅)       
flèche:(f) 尖塔    
tourelle:(f) 小塔、小櫓         
quelque:(不定形容詞)  何らかの、何かの
manoir:(m) ① (中世の領主の)館、屋敷;
   ❷ (田園の)豪邸、   
pigeonnier:(m) ① 鳩小屋、鳩舎;② 屋根裏部屋、
   ③ 高いところにある小さな住居      
désert(e):[デゼール, デゼルト](形) 無人の、住む人もない;
   人気(ひとけ)のない、寂しい;


—————————《ひとこと》————————————————

pigeonnierの意味が3つもあり、しかもどれでも合う.
映画で場面を確かめたかったが、この場面はカットさ
れていたようで、確認できませんでした.
例によって、プロの翻訳家たちはどう訳したのか、
見てみましょう.

旺文社文庫:鳩小屋
②角川文庫 :高い塔
岩波文庫 :鳩舎
講談社  :鳩舎
パロル舎 :鳩小屋
みすず書房:屋根部屋

私の愚見を述べますと、モーヌは尖塔を見つけた、
と言っているのだから、ここは、人のいない尖塔
と訳すのが話の流れとしては自然のような気がし
ます.