第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(149)


さすらいの青春(149)

 
—————————【149】———————————————

  Le  gars  se  retourna   vers  nous,   le  dos*  un  peu
courbé,   souriant  d'un  air  moqueur,   comme  font  les
grands  élèves   indisciplinés   lorsqu'ils  sont  punis,   et,
saisissant  d'une  main  le  bout  de  la  table,  il se  laissa  
glisser  sur  son  banc.

 

——————————(訳)————————————————
                             
  青年は少し前かがみになって、私たちの方に向きを変えた.
冷笑混じりの顔だったが、それは年長組の生徒が罰せられた
ときに見せるような嘲笑のようでもあった.そして片手で、
机の端を掴んで、滑り込むように自分の席に着いたのだった.

 

——————————⦅語句》————————————————

gars:(m)[話] 少年、若者、息子;[garçonの古い主格形]     
courbé(e):(形) 曲がった、体を曲げた
          <courber (他) 曲げる、(体を)かがめる  
moqueur(se):(形) あざけるような、嘲笑的な、皮肉っぽい
     からかい好きの、makinh fun of (~を小ばかにして) 
         [話] 意に介さない、無視する    
indisciplinés:[アンディスィプリネ] (形) 反抗的な、規則に従わない
     言うことをきかない

 
——————————≪解釈≫—————————————————

*) le dos un peu courbé:背中を少し曲げて、やや前屈みになって
        名詞A + 補足辞B(副詞、形容詞、前置詞句など)
    AをBにして、AがBになって
    名詞なので文型分類に困りそうですが、困らないで!
    無視してください.faisant [フザン]でも補って読みましょう.
    faire のことです.仏文法のことはよくわからないのですが、
    とりあえず、「名詞構文」とでも呼びましょう!
    文型要素にはカウントされません.直接補語でも間接補語
    でもありません.遊び人みたいな名詞です.どう呼びます?
    遠山の金さん名詞?  
     
    普通は、前置詞をかぶって、前置詞句という姿で、「~して」
    という意味を構成するのですが、その置いてあった「前置詞」
    が盗まれてなくなってしまったものと考えましょう!
    それでも健気に生きている!そういう名詞です.
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    【教訓】この名詞は「人は置いてあるものを盗まれても、くさらず
       健気に生きましょう」ということを教えている.
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    尚、courber le dos ですが、
    理屈をこねれば、後ろに反らすことも「曲げる」ことに
    なるのですが、特に説明がない場合は、「前に」曲げる.と
    解釈しましょう.
    
    ここから無駄口:昔、冬季オリンピックで後ろに反らせて
    滑るスケーターがいて「金メダル」を獲得しました.
    イナバウアーも le dos un peu courbé.
    Elle patinait le dos un peu courbé en arrière.
        彼女は背中を後ろに曲げてスケートしていた.  

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