第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(169)


さすらいの青春(169)

 
—————————【169】———————————————

  L'autre ricana:
 « Oh ! cria-t-il. Parce que tu es resté trois jours
échappé, tu crois que tu vas être le maître maintenant ? »  


——————————(訳)————————————————

 相手はあざけった:
 「ははーん」と彼は叫んだ.「3日間も逃亡しておいて、
今度は先生気取りかい?」


.—————————⦅語句》————————————————
       
L'autre:もう一方の人、つまりジャスマン・ドルーシュ.
       直前の発言者がモーヌなので、そう解釈します.
    直前の発言者がジャスマン・ドルーシュだったら、
    ここは彼の連れの生徒の発言になります.
    フランス語は何度も固有名詞を使うのを避けます.
    il とすれば、それこそ誰の発話なのか曖昧になります
    のでautreを用いています.  
ricanta:(単純過去3単) <ricanter (自) あざ笑う、冷笑する
échappé:(過去分詞) <échapper (間接他動詞)[àから]逃れる 
       完了形の助動詞は「動作」表現ではavoir、
    「状態」表現ではêtreを用いる. 
tu crois que tu vas être le maître maintenant ? :
   今度は先生にでもなろうって言うのかい?
   tu crois ~(~とでも言うつもりかね?)挑発的な言葉です. 
   maître (maîtresse)は「先生」ただし小学校の教師を指します.
   現代フランス語ではinstituteur (institutrice)を用いるようです.
   尚、中学校以上の先生にはprofesseur (男女同形)を使います.