第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(100)

さすらいの青春(100)


—————————【100】—————————————
        
En  le  voyant ainsi,  perdu  dans ses réflexions,  regardant,  
comme à travers des lieues de brouillard,  ces gens paisibles
qui  travaillaient,  je  pensai  soudain  à  cette  image  de 
Robinson Crusoé,  où l'on voit l'adolescent anglais, avant son
grand départ,  « fréquentant la boutique d'un vannier »... 
  Et j'y ai souvent repensè depuis.*

                
——————————(訳)—————————————                        
            
我を忘れるほどに考えにふけり、霧の中を遠く眺めるよう
にこの作業をしている職人たちを見つめるモーヌを見てい
ると、私は不意に、ロビンソンクルーソーの挿し絵を思い
浮かべたりしていた.そこには大航海を前にしたイギリス
青年の姿があった.≪籠屋に通う≫ という挿し絵がモーヌ
に重なってみえたのだ.その時以来、私はしばしば絵のこ
とを思い出した.


——————————《語句》—————————————
               
brouillard [ブルイヤール] (m) 霧、靄、霞      
réflexion (f) 熟慮、反省 
paisible (ペジーブル) 穏やかな、静かな       
à travers qch (…)を通り抜けて、を通じて、
    Il avance à travers la foule. / 彼は群衆の中を進む.
    à travers champs  野原を通って
    à travers bois  森を通って
    Elle vois la vie à travers les romans.
    彼女は小説を通して人生を見ている.    
lieues (pl) <lieue 里(昔の距離の単位、約4キロ) 
soudain(e) (形) 突然の、不意の 
adolescent(e) [アドレサン,(ト)] (名) 青春期の男(女)、青少年   
          (形) 青春期の、 若い       
vannier (m) 笊屋、籠屋、籐細工師、柳細工師
repensè <repenser (他) 再考する、熟考する、考え直す 


——————————〘文法〙——————————————————
      
j'y ai souvent repensè この文のy の正体はわかりますか?
 y とくれば、とりあえず、à + 「あるもの、人」に
変換できます.
ここでは  ai  repensè à + 「あるもの、人」
「あるもの、人」を再度思った.それはロビンソンクルー
ソーの挿し絵でした.きっとその挿し絵に
 « fréquentant la boutique d'un vannier »
 <籠屋に通うロビンソン・クルーソー
と書かれていたのだと思います.
店ではクルーソーがもう「来るーぞー」と言って
待っていたのでしょうか?


——————————≪ひとこと≫—————————————————
       
再び y ai souvent repensè について
半過去なら「思い描いていた」とやるところですが
複合過去(これは思い描いた情景ではなく、行為
そのものにスポットライトが当たっています.
souvent (しばしば) という語がありますから過去の習
慣で、ここは半過去じゃないのか?と思う方、すごく
センスがいいです.でも、ここは敢えて複合過去で、
思い描いたという行為を、二度、三度、とやったんだ、
と言っています.複合過去なので、その行為には4度
目か5度目かは知らないが、終わりがあった、という
ことも言っているわけです.


    【確認】
複合過去=完了過去
半過去 =未完了過去