第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(1)

さすらいの青春(1)

 

「さすらいの青春」を読みながらフランス語を学習します.

私は先生ではなく、生徒です.先生不在.

そのかわり授業料が無料.そのかわりとても怪しい.

コメントを使って、言いたい放題してください.

仏検4級受験生(コロナで受験できなかったので目下3級受験生)です.

よろしくお願いいたします.

(山田 錦、ゴタぴょんは私のハンドル名)

 

 

Le Grand Meaulnes (Alain-Fournier)

Chapitre Premier

LE PENSIONNAIRE

  
さすらいの青春 (アラン・フルニエ)

 《第1章》 寄宿生

————————————【1】————————————

Il arriva chez nous un dimanche de novembre 189・・・
Je continue à dire 《chez nous 》bien que la maison ne
nous appartienne plus.
Nous avons quitté le pays depuis bientôt quinze ans et nous
n'y reviendrons certainement jamais.


————————————【訳】————————————
     
彼が私たちのところに来たのは189・・・年11月の
ある日曜日だった。
「私たちの家」と言い続けているが、
その家はもう私たちの家ではない。
私たちがその土地を去ってからもう15年になるが、
そこに戻ることはもうないだろう。


————————————《語句など》————————————
   
bien que + 接続法 ~にもかかわらず、~ではあるが
Bien qu'il pleuve, je partirai.
雨が降っているが、出かけよう.
appartienne <appartenir (自)[à に] 属する
   (の) 所有である
À qui appartient ce stylo ?
この万年筆は誰のですか?

 

 

————————————《解説など》————————————


Le Grand Meaulnes この小説のタイトルには
ルグランモーヌ   「モーヌの大将」、「さすらいの青春」
          「グラン・モーヌ」の3通りの定訳があります。
          私は、1968年の映画(主演はイボンヌ役の
          ブリジッド・フォッセー、モーヌ役のジャン・ブレーズ
          そして、この映画の中の語り部役の私、フランソワ
          を演じるアラン・リボル)のタイトル「さすらいの青春」

          を採用します.           

pensionnaire 寄宿生、寮生
パンショネール (ルの発音ですが、ほとんどハに聞こえる
         パンショネーハ)(息使いの音か!)
   (入門書によると、のどぼとけを震わす、とか口蓋に舌を盛り上げて

    その間に息を通す、となっていますがよくわかりません.

    耳に聞こえるのはハヒフヘホの行の音です)
    でもいつか、ラリルレロに聞こえる日が来ると信じてラ行で

    読みを振ります.       
 
         pensionnaire d'un lycée リセの寄宿生   
         パンショネール ダン リセ


 単純過去形のお話

物語では、主に「直説法単純過去」が使われます。
単純・・・というのは、
複合形(avoir や être と完了分詞を組合せた形)
に対して、
動詞単一のまま語尾変化させて過去を表現する動詞形です。
決してバカという意味ではありません。

尚、直説法というのは、
ふつうの言い方という風にご理解ください。
後に、仮定法とかが出てきますので、
それと対比して普通に述べるよ、
というのが直説法です。

法というのは、様式という意味です。
法律ではありません。叙法(述べる様式)の法です。


この「単純過去」はさっそく文中で使われています。

Il arriva chez nous.
イラリヴァ シェヌー
彼は私たちの家に到着した。

この arriva が単純過去の形です。

元の形(不定詞)は arriver

まず現在形の復習。


j'arrive   私は到着する     nous arrivons  私たちは到着する
ジャリーヴ          ヌーザリヴォン

tu arrives 君は到着する     vous arrivez  あなたがたは到着する
テュアリーヴ         ヴーザリヴェ
  
il arrive   彼は到着する         ils arrivent   彼らは到着する
イラリーヴ          イルザリーヴ 


er 動詞 (語尾が er で終わる動詞) は
動詞全体の80%を占める・・・・・のだそうです。

 単純過去形の語尾は er 動詞 では
je ~ ai                          nous ~ âmes
   エ                     アーム

tu ~ as          vous ~ âtes    
    ア                    アット

il  ~ a                        ils ~  èrent
  ア             エール

この鋳型に arriver の語尾 er を取り除いて、
語幹 arriv を注入して、
過去形を作りましょう。  
ドロドロドと流し込みますと

J'arrivai                 nous arrivâmes
ジャリヴェ     ヌー ザリヴァーム
私は到着した    私たちは到着した

tu arrivas                    vous arrivâtes
テュアリヴァ    ヴーザリヴァット
君は到着した   あなたがたは到着した

il arriva       ils arrivèrent
イラリヴァ     イルザリーヴ
彼は到着した    彼らは到着した。 

chez というのは 「~の家で、へ」 「~のところで、へ」
         「~の店で、へ」

先に誰が来たかを言ってしまうと、その人はモーヌです。
17歳のモーヌがやってきたんです。どこへ?
それが、chez nous 私たちのところ。

尚、私、ゴタは、岩波文庫の邦訳
「グラン・モーヌ」* を参考しながら書いています。
この本では「家」と訳されています。

物語を先に言いますが、
この家というのは、アント・アガットにある寄宿制の
学校です。

フランソワの一家は、教員をしている父が受けた辞令により、
この学校へ引っ越してきました。

小学校の部と上級クラスがあって、物語語り手のフランソワ
の父親が上級クラスを受け持っています。

上級クラスは教員免許が取れるクラスなので、
大学に相当するのですが、この舞台の時代背景は、
高卒で取得できる、のどかな時代だったようです。

あまり、しゃべりすぎると、読む楽しみが減りますので、このくらいで。
ではまた。

ゴタ生徒(先生でなない)

 

訳本で入手可能なのは下記の5冊です.

6冊目は対訳双書なので、完全版ではありません.

「さすらいの青春」(講談社

「さすらいの青春」(旺文社文庫

「さすらいの青春」(角川文庫)

「グラン・モーヌ」(岩波文庫

「グラン・モーヌ」(みすず書房

「モーヌの大将」(大学書林