第10教室:さすらいの青春(フランス語学習日記)

『さすらいの青春』を読みながらフランス語の学習をしましょう.ぜひご一緒に!

語学学習日記(フランス語学習) さすらいの青春(173)


さすらいの青春(173)

 
—————————【173】———————————————

Meaulnes  lâcha  Delouche  pour  se  colleter  avec  cet
imbécile,  et  il allait  peut-être  se trouver  en  mauvaise
posture,  lorsque la porte des appartements s'ouvrit  à demi.
M. Seurel parut  la tête tournée  vers la cuisine,  terminant, 
avant d'entrer,  une conversation avec quelqu'un...   

——————————(訳)————————————————

モーヌはマルタンとやり合うため、ドルーシュを放した.
だがおそらくモーヌには不利な体勢になろうとしていた.
その時まさにこの教室につながる扉が半ば開いた.スーレル
先生が顔を台所の方に向けて現れたのだった.しかし入室
する前に、誰かとの話のやりとりを終えようとしていた.


..—————————⦅語句》————————————————
                         
lâcha:(単純過去3単) <lâcher (他) 放す、落とす      
colleter:(他) colleter quelqu'un(e) 人の襟首をつかむ
se colleter:[話] 掴み合う、取っ組み合う    
imbécile¹:[アンベスィル(形容詞、名詞共)](形) 馬鹿な、
imbécile²:(名) 馬鹿者;ここでは投げられて戻ってきたマルタン
       のことを言っています.マルタンと訳しました.   
allait:(半過去) <aller;ここではaller + 不定詞で近接未来 
    il allait peut-être se trouver en mauvaise.
        おそらく(モーヌは)まずい体勢になろうとしていた.
posture:(f) 姿勢、「不自然な」という言外意味が付随します.
lorsque:[sも発音します:ロルスク (ロールクではないので要注意)]
    (接)(後続がil, ils, elle, elles, on, un, une などでlorsq' )  
    ❶~の時に; ❷~なのに         
appartement:(m) ここではパリにあるようなアパルトマンではなく
    幾つかある教室のことを指しているのだと思います.では
    なぜclass を使わず、わざわざappartement を使ったのか?
    それは住居として使っている部屋、教室として使っている
    部屋、招致教師の住居などがあるためと考えます.そして
    複数形にしている理由は、もう一棟に、村役場と資料室が
    あるからだったのでしょう.それが両翼としてつながって
    いたとすれば、la porteはその仕切りになる扉でしょう.
        他の訳本を見たところ、この扉は、食堂側と教室側を仕切る
    扉として描かれていました.この説を採用すれば
    la porte des appartements s'ouvrit. / 教室に来る扉が開いた.
        となります.私の説は、中央が食堂と住居、両翼どちらかが
    教室群、その反対翼側が資料室と村役場.ただ規模が小さい
    ので、見ればがっかりするような大きさかも知れません.
    何しろ、寄宿学校なのに、寄宿生はモーヌさんおひとりです  
    ので.
parut:(単純過去3単) <paraître (自) 現れる  
      paraître + 属詞 と思われる、のように見える

————————— ≪文法≫ —————————————————

M. Seurel parut la tête tournée vers la cuisine.
(そのとき)スーレル先生が顔を台所側に向けて現れた.
 parut la tête …と読めば、すでにこの段階で間違いです.
paraître は自動詞ですので、目的語は取りません.では la tête
は何者だ?はい、別主語の分詞構文です.「頭を台所側に向けて」
文法通りに訳すとla têteが主語で、「頭が台所側に向けられて」

【教訓】間違いには一刻も早く気づいて修正活動に入りましょう.